新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「緊急事態宣言」が出たことで、テレワークが認められていることもあり、地方出身者が自分の実家に戻るなど、一時期的に地方に移住する人も少なくないようだ。ただし、このウイルスの特性や地方の医療体制の実情を考えると、よほどの事情がない限り、やめておいた方がいい。医師(日本内科学会総合内科専門医)であり、かつビジネススクールで医療経営を教えているという立場の筆者が、解説する。(中央大学大学院戦略経営研究科教授、医師 真野俊樹)
地方への「疎開」は
今は避けるべきだ
東京・大阪・福岡など7都府県を対象に「緊急事態宣言」が出されたので、一時的に地方に移住、つまり、「疎開」する方がいいのではないか、と考える人も少なくないようだ。
この考えには一定の合理性があり、実は私も一時期そう考えたことがある。確かに、自分が感染してないということを前提にすれば、これは正しい。
実際に、在宅勤務も進んできており、特に、地方に実家などがある人や金銭的にある程度の余裕がある人がこの発想を持つであろう。
しかし、今回の新型コロナウイルスに関していえば、かなり注意を要する。はっきり言って、現在のタイミングでは極力、避けるべきであろう。