新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が一段落するまでには何年もかかるかもしれない。しかし、結果が既に明らかになっているものが1つある。それは政府・企業・一部の家庭が、巨額の追加債務を負わされることだ。ゴールドマン・サックスの推計によれば、連邦政府の財政赤字は、本年度(9月末まで)で3兆6000億ドル(約390兆円)、翌年度は2兆4000億ドルになるとみられる。企業は銀行の与信枠から資金を引き出し、債券市場も活用している。一部の家庭でも同様に資金確保のため借り入れに依存しつつある予兆が出始めている。債務の急増は、ウイルス被害が一段落してからかなり後まで、政府と民間部門の活動状況を規定することになる。特に重要な点は、ウイルス禍後の景気拡大の重しになる恐れがあるということだ。
新型コロナ危機の遺産:借金の山
債務の急増はウイルス禍後の景気拡大の重しに
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