コロナ禍で経済・社会の変化に覚悟が必要です
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新型コロナウイルスをめぐる
楽観と悲観が交錯している

 日々、人々の心理の中で、新型コロナウイルスをめぐる楽観と悲観が交錯している。株式や為替などの金融市場の動きを見ると、それがよく分かる。

 4月6日、米ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事が、希望的観測と断りつつ「感染拡大が抑えられ始めた可能性がある」と述べた。これを受け、大手投資家を中心に株式の空売りポジションの巻き戻しが起き、世界的に株価が上昇した。新興国通貨も大きく反発するなど楽観が市場参加者の心理に広がった。

 ただ、冷静に考えると事態はそれほど楽観視できない。翌7日、同州内での死者数は増加した。わが国でも東京都を中心に感染が拡大し、緊急事態宣言が発令された。医療崩壊が起きたイタリア、スペインを中心に欧州各国の感染状況も予断を許さない。東南アジア諸国でも感染が増えている。

 その意味では、世界経済はいまだに混乱に向かいつつある。現状、世界各国が感染拡大を食い止めるには、人の動き=動線を制限するのが最も有効な手法だ。しかし、人が動かなければ、基本的に経済活動は停滞する。企業業績は悪化し、失業者の増加や金融市場の混乱などさまざまな負の影響が表面化する。