当たり前の気持ちが
部下の反発の原因に

 10年前にコンサルティングをしていた焼き鳥チェーンで、ある高校生のアルバイトスタッフが、私にこのようなことを言ったのです。

「この会社の人たちは私たちのことをすごく叱ります。怒鳴られることもあります。だけど私たちの仕事ぶりを見張っているのではなく、見守ってくれているんです!」と笑顔で話すのです。

 びっくりしました。上司から叱られたり、怒鳴られたりしているのに、スタッフは見守ってもらっていると感謝している。なぜ、このようなことが起きるのでしょうか。

 すぐに理解できたのは、叱る側の心持ちの違いでした。

 叱る側に「この子はできない子だ、だから見ておかないと」という思いがあると、「ほらやっぱり失敗した」となる。こういう上司に対しては、叱られる側は見張られていると感じてしまいます。

 一方、叱る側に「この子はできる子だ」という思いがあると、「あれ今回失敗した!何でだろう?」となり、叱られる側は見守られていると感じることになるのでしょう。

 とはいえ、「部下が上司から見守られている」と感じる関係性を構築するために、具体的にどのような行動をしていけばいいのか、その答えが見つかりませんでした。

 しかし、10年間、この焼き鳥チェーンやその他の様々な組織を観察や研究し、昨年、ようやく答えが見つかりました。

 叱った人に対し、叱られた人が「見張られている」と感じる場合と「見守られている」と感じる場合、両者の違いはどこにあるのか。

 読者の皆さんはすでに気づいているかもしれませんね。

 それは、叱った人の言動に「ねぎらい」が入っているかどうかです。