称賛されるか否かを左右するのは
「社会の不安」への配慮

 店舗の感染防止策としては真っ当だし、これだけのことをセブン全店舗で実行するというのもなかなか大変なことである。そのような意味では、もっと評価されてしかるべきなのに、なぜ世間はシラけているのか。

 いろいろなご意見があるだろうが、企業の報道対策アドバイザーとしての経験から言わせていただくと、「社会の不安に寄り添っていない」ということに尽きる。

 今、大多数の日本人の多くが感じている不安というのは、「自分も感染しないか」「他人を感染させてしまわないか」ということはもちろん、「この先、生活はどうなるんだ」という点にある。なので、とにかくこの不安を解消してくれる施策に飢えているのだ。

「ライフ」や「スギ薬局」の施策は、自社の従業員を対象としたものではあるが、過酷な労働環境の中でもマジメに働く人を、正しく評価する企業がある、ということを世に知らしめた。多くの日本人は、どこかの従業員という立場でもあるので、非常に勇気づけられる。「まだまだ日本も捨てたもんじゃない」と希望が持てるのだ。

 しかし、残念ながらセブンの「コロナシールド」では、希望は持てない。それどころか、「あんなに頑張って働いてくれているのに特別手当さえ出ないの?」なんて感じで、ヘタをすれば日本社会への失望につながってしまうのだ。

 ご存じのように、コンビニバイトは今や、日本を代表する低賃金労働となっている。仕事は接客、調理、品出し、トイレ掃除など多岐にわたっているのに、時給は最低賃金スレスレというコンビニも少なくない。

 そんな低賃金労働者が、新型コロナの不安の中で頑張ってくれている。セブンがことあるごとに叫ぶ「コンビニは社会インフラ」を体現するため、営業時間短縮もせずに通常通り24時間営業を続けているのだ。当然、FC本部からの「厳しい条件で業務に取り組む人たちへのお礼」があってしかるべきなのだが、今のところコンビニ各社がバイトに対して「感謝」を形にしたという話は聞かない。

 そうなると当然、人々は「失望」をしてしまう。何の補償もないのに仕事を休めと言われる人や、外出するなと言われながらも出社しなくてはいけない人たちが、苦労が報われぬコンビニバイトと自分の姿を重ねて暗い気持ちになるのだ。人というのは、自分の信じたいものしか信じようとはしない。その傾向は社会不安が高まると、さらに強まるので、暗い気分にさせるような話はどんどんスルーされていくのだ。

 もちろん、「社会の不安に寄り添っていない」というコロナ対策に、世の中がビミョーな反応になるというのは、セブンに限った話ではない。