これまで販売車種に違いのあった、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店、ネッツ店の販売系列店で同一車種の販売を行う。あわせて、レンタリース店と販売店との垣根を越えて利活用サービスを拡大する。事実上のディーラー網再編であり、販売4系統とレンタリースの合計約6000店舗が統廃合される。数がどこまで減るかは、各地域の状況により“最適化”の意味合いは変わる。「実質、半減以下を視野に」という声が業界関係者の中から聞こえてくる。

 トヨタ以外のメーカー幹部は、こうした状況について「各地で血が流れる」と表現するほど、生き残りにかけた厳しい状況という認識がある。その上で「ウチも他人事(ひとごと)ではない」と、トヨタの動きに対する危機感を示す。

 前述の各種発表は、トヨタディーラー網の大再編とつながっているため、新年度からの実施に向けてこの時期での発表となったと見るべきだ。

日本が世界をリード
アジャイル型の変革とは?

 トヨタは、全販売店全車種併売化の理由については、「より地域に根差した新たなモビリティサービス提供が可能な販売ネットワーク変革が必要」と説明する。

第3四半期決算発表でのプレゼン資料 出典:トヨタ
第3四半期決算発表でのプレゼン資料 出典:トヨタ
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 見方を変えれば、メーカーがディーラーを管理する度合いを大幅に高める、といえる。

 これを、世界に先駆けて日本で行う。

 具体的には、2020年2月6日、第3四半期決算の発表で、「お客様に向き合った競争力強化の取組み」という資料の中で、主要な仕向地別の対策を示した。

 以下、箇条書きとする。

・中国:先進技術を生かした商品ラインアップの拡大。
・欧州:ハイブリッド車の優位性をお客様に普及。
・北米:ハイブリッド技術のパワフルなイメージの訴求
・日本:販売店と協力し、アジャイル型で変革を推進(全車種併売化・この町いちばん活動)

 このように、海外では技術的な面を強調した商品戦略。一方、日本では販売・流通戦略と、明らかに対応が違う。