米国においては、院内感染に関する集計データはなかった。感染爆発(オーバーシュート)を起こしているニューヨーク州においては、医療機器や防護服などが足りないという話もあり、状況があまりに違うのでニューヨーク州以外に注目してみた。

 医療従事者についての報告があったので、まず、少し古いが4月上旬の米国の状況を報告しておきたい。4月9日、「参考文献1」によれば、全米では5512人の新規感染者がいて、うち21%にあたる1137人が、4月8日にはカリフォルニア州では299人の医療従事者が感染している。そのほか、オンラインメディア「バズフィード」(BuzzFeed News)によれば、アラバマ州(393人)、アーカンソー州(158人)、アイダホ州(143人)、メイン州(97人)、ニューハンプシャー州(241人)、オクラホマ州(229人)、オレゴン州(153人)、ペンシルベニア州(850人)、ロードアイランド州(257人)、ウェストバージニア州(76人)となっている。

病院職員は院内感染よりも
市中感染の方が多い?

 ただ、日本ほど追跡調査をしていない米国においては、これらの医療従事者の感染が医療機関でおきたのか、市中で起きたのかははっきりしない。むしろ「参考文献2」によれば、UCデイビスメディカルセンター(UC Davis Medical Center)のCEOは、「職員の感染は、院内感染より市中感染が多いのではないか」と主張している。

 これは、“訴訟社会”である米国では、イタリアのように1万5000人近くも医療従事者が感染し、それが院内の患者にも広がってしまえば、病院側の責任を強く問われることになるからかもしれない。

 逆に言えば、であるからこそ、後述するように“厳重な体制”をとっているといえる。