短時間労働者のなかには、あえて扶養の範囲内で働いて、家族の健康保険の被扶養者になっているパート主婦などもいる一方、低所得でも自分の収入で家族の生活を支えている人もいる。そうした人は、被用者保険に入りたくても、年収要件などに阻まれて加入できないため、仕方なく都道府県国保に流れてきている。その結果、国保の加入者に占める被用者の割合が高くなっているのだ。

 だが、通常、国保には傷病手当金の給付はないため、加入者が病気やケガをして働けなくなったら、収入が途絶えてしまう可能性がある。

 そのため、今回は国保に加入している被用者を対象に、国が財政支援をすることで、新型コロナウイルスに感染、または発熱などで感染が疑われ、休業せざるを得なくなった人に対して、特例的に傷病手当金が支給されることになった。

 1日あたりの支給額は、直近の連続した3カ月間の給与の合計を出勤日数で割った金額の3分の2。新型コロナウイルスに罹患(りかん)し、働けなくなった日から3日経過し、4日目から療養のために休業している日数分が支給される。

 適用期間は2020年1月1日~9月30日までの間に実際に休業した日だが、入院などが長引いた場合は最長1年6カ月間支給される。

 入院した場合はもちろんのこと、自宅療養でも支給対象になるので、万一、新型コロナウイルスに感染して療養を余儀なくされた場合は、市区町村の窓口に傷病手当金の申請をしよう。

 だが、今回、特例的な傷病手当金の支給対象になっているのは、国保加入者のなかでも被用者(雇用されて働く給与所得者)のみだ。自営業者も病気やケガで休業すれば、収入が途絶えるリスクは同様にあるが、こちらは自営業者向けのコロナ対策で打ち出された持続化給付金などの申請でカバーしよう。