まずは帰国生対象の試験から導入が始まりそうな「オンライン入試」。聖ドミニコ学園のオンライン授業の様子 写真提供:聖ドミニコ学園

「2021年9月入学」の是非で議論が始まっているものの、次年度の生徒募集を考えなければならない学校としては、例年なら半年後に迫った帰国生向けの入試を具体化する時期に入っている。緊急事態宣言を受け、遠隔授業の導入が各校で進められているが、「オンライン入試」も視野に入ってきた。(ダイヤモンド社教育情報)

生徒募集に不安を隠せない私立中高一貫校

 首都圏・関西圏では、5月末まで緊急事態宣言が延長されたままとなる。そのため、ゴールデンウィーク明けから、オンライン授業を急きょ開始した学校も多い。代替授業の実施でどこも今年の夏休みはその多くがつぶれそうな状況にある。

 そこに「2021年度は9月入学」というプランがにわかにわき上がり、そのメリット・デメリットを巡る論争も活発になってきた。

 これを受験生の立場で見ると、「入試は一体どうなるのか」ということに尽きる。大学受験を控えた高3生にとって、満足に授業も行われない状態で年明け1月から初めて実施される大学入学共通テストが始まるとなると、浪人生に比べて不利ではないかという思いが、「9月入学」への賛意を増やす要因になっている。

 浪人生はいない中学受験でも、もし9月入学となると、東京・神奈川の中学入試日程は2月から7月にスライドすることになり、受験生は5カ月間の延長を余儀なくされる。

 例年ならば、学校説明会の予告が始まり、2021年度の入試日程も順次公表されているこの時期だが、今年は早々にオンラインでの学校説明会の実施を決めた学校も出るなど、授業のみならず、生徒募集にもオンライン化の波は襲ってきている。

 前回お知らせしたように、感染防止の観点から、すでに2021年入試では分散実施や教科数の削減、試験時間の短縮などが検討の対象となっている。

 もう一つ、私立中高一貫校を悩ませているのが、2021年入試は受験生が激減するのではという危惧である。難関・上位校はともかくとして、中堅校以下では、生徒募集対策がいまから深刻な課題になっているのだ。