米小売り大手ウォルマートは「エブリデー・ロー・プライス(EDLP)」と「エブリデー・ロー・コスト(EDLC)」という二つのモットー実行を目指している。後者は課題になっているが、投資家は冷静に対応すべきだ。ウォルマートが19日発表した2-4月期(第1四半期)決算は世界全体の売上高が1346億ドルに急増し、前年同期比8.6%の伸びとなった。売上高と利益はともにアナリスト予想を上回った。特筆に値するのはネット販売の売上高で、前年同期比74%増と、前四半期の35%増から著しく伸びが加速した。ただ、ウォルマート株は取引序盤に上昇したものの、午後には下げに転じた。売上原価が9.7%上昇して事前予想を上回り、営業利益の伸びを圧迫したことに投資家は警戒心を強めているのかもしれない。ウォルマートは新型コロナウイルス絡みのコスト――賃金と福利厚生費用の上昇、衛生対策の強化――が9億ドル近く追加発生したと説明した。ネット販売への移行はパンデミック(世界的大流行)前から収益性の足かせとなっていた。同社はまた、食料品や消費財など低利益率のカテゴリーに販売の中心が移り、粗利益率に悪影響が及んだと述べた。