一方、米国の日光・栄養・健康研究センターのWilliam Grant氏は、違った見解を示す。「この知見は、ビタミンDがCOVID-19の予防や重症化防止に有効である可能性を示す観察研究の結果を裏打ちするものだ」と同氏は述べている。

 米ルイジアナ州立大学のFrank Lau氏も、自身の研究でビタミンDの効果を確認したとする一人だ。ビタミンDが新型コロナウイルスに対する免疫反応を強化し、抗体の生成を助け、ウイルスが全身に広がるのを予防する可能性があるとLau氏は言う。

 こうした中、ビタミンDの効果を調べる複数の臨床試験が開始段階にある。Lau氏の治験は初期のCOVID-19患者を対象とし、一方、フランスで実施される治験は重症患者を対象に検討を行うという。

 同氏は、COVID-19重症化後のビタミンDの有効性には疑問を抱いており、むしろ普段からビタミンD値の高い状態を維持することが、COVID-19の予防につながるのではないかと述べている。そして、ビタミンD値を上げるには、「サプリメントを利用しなくても、1日10~15分日光を浴びればよい」と助言している。また、ビタミンDは脂質の多い魚、栄養強化した乳製品やシリアル、牛レバー、チーズ、卵黄などにも含まれている。(HealthDay News 2020年5月8日)

https://consumer.healthday.com/infectious-disease-information-21/coronavirus-1008/healthy-vitamin-d-levels-could-be-linked-to-covid-19-survival-757506.html

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