株式市場の資金配分を通じた資源配分機能の発揮にあって、状態(B)が状態(A)よりも良いとは考えにくい。

 日銀は、主に指数連動型のETFをルールに基づいて買っているので、個々のビジネス評価に関与していないという建前なのだろうが、彼らの購入のルールや保有の傾向性が資金配分に影響していないとはいえない。

「人間」が個々の投資先の評価に関与していないルール化された購入・保有であっても、資金の動きや株式保有の変化は、投資評価を行って市場に参加しているのと同じ効果を持っている。そのことに気づかないのだとしたら、鈍感過ぎる。

株式保有の利益相反が生じる
その意味でも公的機関の株保有はNG

 例えば、日銀が自らの監督対象である銀行株を保有することや、厚生労働省の監督下にあるGPIFが製薬会社の株式を保有することには、監督行為と経済的利益の間の利益相反が存在する。先の状態(B)は、この面でも望ましくない。

 今のところ、ETF運用の成否が日銀マンの報酬に影響するようなことはなさそうなので、日銀が銀行株を保有していることが彼らの銀行政策に影響する経済的動機はほとんどない。

 ただし、ETFの運用成果が日銀の国庫納付金の増減などへの影響を通じて、日銀への評価、ひいては日銀マンの人事評価に「全く影響しない」わけではない。

 利益相反の問題を考えるに当たって、「ほとんどない」と「全くない」が同じでないことは、日銀マンが「本当は分かっていること」だろう。

なお、巷間話題になることが多い、日銀ETFの含み損益や、含み損の場合に日銀が債務超過になる可能性などは、日銀が政府の「つぶせない連結子会社」のような存在であることを考えると案外「大した問題ではない」。