――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  香港を拠点にアジアと欧州を股にかける戦略はこれまで、多くの企業に大きな収益をもたらしてきた。だが、中国と欧米諸国との関係が冷え込む中、その「二股」戦略は居心地の悪い、不安定な「別れ」へと姿を変えつつある。さらに悪いことに、新型コロナウイルスによる景気低迷で、一部の企業は政府支援を仰がざるを得なくなっている。こうした状況では、中国当局が眉をひそめる見解について支持を表明すれば、さらなるリスクに身をさらすことになりかねない。  香港のキャセイパシフィック航空は、まさにこうした状況に追い込まれた。