ステアリングを拭く手
ステアリングやドアトリムなどの場合、特別なケアをしなくても抗菌効果は半永久的に保持される(写真はイメージです) Photo:PIXTA

そもそも抗菌とはどのような機能
自動車内装品には使われている?

 日本人は世界的に見て公衆衛生や清潔に対して敏感な国民であると言われる。この国民性の中で生まれたのは世界的にも珍しいといわれる抗菌ブームだ。日常生活の中のさまざまな分野に抗菌グッズが入り込み、いまや駅のエスカレーターのベルトや電車の吊り革にも抗菌処理素材が使われている。では、この抗菌とはどのような機能なのだろうか。

 細菌に対する防護のレベルは3つに大別される。殺菌は、この文字のとおり菌を死滅させる機能であり、最も防護レベルが高い。この表現は医薬品のほか薬用石けんなど医薬部外品で使われる。除菌は付着した菌を有効数減少させる機能であり、おもに洗剤や漂白剤など雑貨品に使われる表現だが、細菌を減少させるという効果は備える。

 これに対し抗菌は菌の増殖を抑制または阻害する機能を指し、キッチン用品や衣類、日用雑貨など幅広い範囲の製品で用いられる表現だ。JIS(日本工業規格)が認定する抗菌加工製品は“抗菌加工されていない場合に比べ、その製品の表面での細菌増殖割合が100分の1以下であること”という基準が適用される。

 家電や住宅用設備・建材などに始まった抗菌処理樹脂は自動車の内装部品にも使われている。ステアリング、ドアトリム、シートなどすでに採用例が豊富だ。自動車の場合、家電製品やインテリア製品に比べて使用環境が厳しく、通常の自動車用素材としての耐久性・耐候性がまず要求される。変色や変質は完全に不適当だ。同時に抗菌効果の持続が求められ、半永久的な効果が理想だ。