敵失をひたすら待つ野党
アフターコロナは政局に

「黒川弘務元東京高検検事長の賭けマージャン問題など、ほかにも問題山積で、本来なら、野党が攻勢を強め、倒閣運動が起きてもおかしくないのが現状です。安倍政権を維持させているのは、皮肉なことに、日本どころか世界中を混乱に陥れているコロナウイルスなのです。おかげで、我が社も追及を免れている部分があるのは否めない。アフターコロナは政局になるでしょう。当然、われわれ財務省も批判の対象になる」

 中堅の財務官僚は、苦虫をかみつぶしたような表情で言う。

 森友学園を巡る公文書改ざん問題に関係した財務省近畿財務局職員の妻が、「夫は改ざんを強制されて自殺に追い込まれた」とする手記を出し、佐川宣寿元理財局長と国を訴えたことは、平時なら国会が紛糾し、倒閣にも至りかねない大問題だ。しかし、野党の追及がそこまで激しくないのは、「コロナ禍の中、解散総選挙を主張しても日々の生活にあえぐ庶民の批判を浴びるだけ」という計算が働いているからだ。

 事実、中川俊男副会長らのクーデターで急転直下、会長選挙が行われることになった日本医師会に対する国民の視線は厳しく、中川氏の背中を押した尾崎治夫東京都医師会会長に対しては、医師会内部よりも、コロナ対策に追われる永田町と霞が関から、「国民の命や生活よりも、会長職の名誉の方が大事なのか。今、トップの交代劇など起こして、医療政策に穴があいたらどう責任をとるつもりなのか」という強い批判の声が上がっている。

 永田町の住人の感覚では、野党ならとりあえず今は一致団結する形にし、庶民の生活に直結するコロナ対策の失敗をついて時を待つ――というそろばんをはじいて動いているのだ。