接触確認アプリ写真:森田直樹/アフロ

 【パリ】フランスは欧米の大国の中で最初に新型コロナウイルス感染者の接触追跡アプリの構築に乗り出した国の1つだが、ダウンロードの滑り出しは鈍い。

 他国が追随するなか、フランスの苦戦は追跡アプリの有効性に影を落としている。

 フランスの当局者が23日に明らかにしたところによると、同国のアプリ「StopCovid」は6月2日以来180万回アクティベートされた。人口比では約2.7%で、欧州で最も低い部類に入る。このアプリでは、ウイルスにさらされた可能性のある人は14人しか見つかっていないという。

 まだ早期とはいえ、フランスの経験は接触追跡アプリの導入を目指している国に教訓を提供している。ひとつの問題は、数カ月の外出制限を経て、感染者が減っている地域の人々は将来の感染予防に役立つかもしれないツールを利用する動機が低下していることだ。

 デジタル担当の高官セドリック・オ氏は「コロナは予想より速く減っており、それに付随する恐怖はさらに速く減退している」と述べた。最近では1日に数万人がStopCovidのアンインストールを始めているという。