(3)ジャンクフード漬けのHさんのケース
「野菜がないとつらい」というように…

「料理はしない」「食事に時間をかける必要性を感じない」「できるだけ安く済ませたい」…という理由から、特に好きなわけでもないのにジャンクフードばかりの食生活になっていたHさん。お悩みは体重増加についてですが、積極的に食生活改善をしたいとうモチベーションではなかったので、その中でできることを一緒に考えて、「1日1回、コンビニかスーパーの袋詰めのサラダを買う」ということから始めることにしました。お店で必ずサラダを頼むというのはコスト的に難しいため、100円程度で買うことができ、最近はバリエーションも多い袋詰めのカット野菜にしたのです。

 最初は体重が100kg近くあったので、20kg近い減量を達成するまで2年近くみていましたが、3カ月を過ぎたあたりから「野菜がないとつらいなって思うようになってきました」と度々口にするように。「サラダを食べると、食事の量が自然と減る。食後にアイスを食べることがなくなった」「おなかを壊しやすかったのが落ち着いた」「脂っこいものだけを食べると胃もたれしているんだなってことに気がつくようになった」など、野菜を食べることのメリットを生活の中で多く体感していました。

 生野菜が嫌いでない限り、食事量が増えるこの方法はモチベーションがそう高くないときでもストレスなくルーティーンにしやすいものです。

 これら3つのケースに共通するのは、以前の食生活よりも“快適”で“体と生活全体が良い方に向かっている実感が得られたこと”ではないでしょうか。快適でなければ続けられませんし、痩せても健康度が下がればそれは良い方に向かっているとはいえません。

 最初にとったアクションは「行きたいラーメン店リストをつくる」「意識して水を飲む」「1日1回、コンビニかスーパーの袋詰めのサラダを買う」などの毎日クリアできそうな小さなものです。でも、だからこそ、変化を体感できるまで継続することができ、劇的ビフォー・アフタークラスの変化を生み出せるのです。

 ダイエットに関しての多くの情報からいずれかの方法を選択するとき、“楽”もしくは“大変だけれど結果が出る”の二者択一で選びがちです。でも、“生活に取り入れたときの快適さ”と“ちゃんと実感が得られていること”の視点をもつと、変化はゆるやかでも、一生ものの健康習慣になるのではないでしょうか。

(栄養士・食事カウンセラー 笠井奈津子)