各国の株式市場が漠然とした景気回復期待と金融緩和に伴う過剰流動性などをよりどころに堅調な推移となる中、米国では新型コロナウイルスの感染拡大が止まっていない。
景気回復そのものは期待されるが、V字形の回復を予想する向きに乏しく、長いコロナウイルスとの闘いが続く中でFRB(米連邦準備制度理事会)のゼロ金利政策長期化への思惑が強まっている。
FRBは米国債の利回りを一定水準以下に抑え込むYCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)からは距離を置いたが、米国債市場ではゼロ金利政策の長期化予想の下、期間の短い債券ほど利回りが低位で安定しやすくなっており、10年債利回りも、今後3~4年は利上げが見通しづらいとの声も増える中、0.7%程度での安定推移を続けている。
一方、年限の長い超長期国債については、さすがにゼロ金利政策長期化の思惑だけでは買われにくく、むしろ米国株の上昇に伴う長期的なインフレ期待の高まりに伴って上昇気味である。