コロナ対応の企業金融支援
銀行の日銀預金にプラス金利
新型コロナウイルス危機への対応で、日本銀行はかつてない企業の資金繰り支援の枠組みを打ち出した。
中でも緊急対策で打ち出された「無利子無担保」融資と一体で運営される企業金融支援策は、融資を行う金融機関に融資額を上限に日銀が無利子融資をしたり、金融機関の持つ日銀当座預金に0.1%の付利をつけたりするなどの“優遇策”で、貸し出しを増やそうという狙いだ。
これによって、日銀の新型コロナ対応特別オペレーションの規模は一気に拡大した。
その一方で、日銀が、金融機関の当座預金残高の一部を対象にしているマイナス金利が適用される残高はますます少なくなる。
金融機関の収益を圧迫している元凶などと、評判が良くないマイナス金利政策を新型コロナの対応のもとで、じわりじわり形骸化していこうと考えているようにみえる。
マイナス金利政策を
生かす気はもとからなかった日銀
日銀は、2016年1月にマイナス金利政策の導入を決定したが、2%物価目標は実現できないばかりか、利ざや縮小で収益悪化に苦しむ金融機関から経営に与えるマイナスの影響を指摘されるなど評判は今一つだ。