西村康稔・経済再生担当大臣(左)と小池百合子東京都知事西村康稔・経済再生担当大臣(左)と小池百合子東京都知事 写真:ロイター/アフロ

 7月に入ってから東京都で新型コロナウイルスの感染者数が大きく増え、それが地方にも波及しつつあるように見えます。これをコロナの第2波だと言う人もいますが、それが正しいかはともかく、大事なのはそれが自然発生的に起きたものではなく、むしろ小池百合子東京都知事と西村康稔経済再生担当大臣という、2人のコロナ対策責任者が引き起こした「人災」ではないかということです。

小池都知事のひどい無策ぶり

 菅義偉官房長官が明言したのに対して小池都知事はムキになって反論していましたが、4日連続で200人を超え、7月16日には286人と過去最多となるなど、東京都での感染者数が圧倒的に多いことを考えると、7月に入ってからの感染者数の増加が「東京問題」であることに疑いの余地はありません。

 それではなぜ東京都で感染者数が激増したのかと考えると、結論として、小池都知事が6月以降、大した感染防止策を講じなかった影響が大きいと言わざるを得ないのではないでしょうか。

 そもそも、5月25日に国の緊急事態宣言が解除された後は、感染防止のための対策を講ずべき一義的な主体は都道府県知事です。緊急事態宣言のような全国一律の対応が必要な段階が終わった以上、地域ごとに感染状況が異なることを考えれば当然のことです。だからこそ、5月25日に開催された政府対策本部で配布された「基本的対処方針(案)」でも、さらなる対策の主体としては都道府県知事が想定されています。https://corona.go.jp/expert-meeting/pdf/sidai_r020525.pdf(資料3)

 ところが、東京都は緊急事態宣言が解除されてから最近に至るまで、ほとんど新たな感染対策は講じてきませんでした。「東京アラート」という愚策以外では、6月上旬頃から歌舞伎町のホストクラブやキャバクラなど、いわゆる“夜の街”での感染者数の増加が指摘され出したにもかかわらず、記者会見で「感染要警戒」というパネルを掲げて注意喚起する以外は、“夜の街”で働く人にPCR検査を受けることを推奨したくらいです。