今回の東京都知事選でも圧勝した小池百合子氏。新型コロナウイルス対策や学歴詐称問題など、最近は何かと話題の小池氏だが、一連の発言やその後の物事の進め方を見ていると、どこの会社にでもおそらくいるであろう「火消し役」と呼ばれるリーダーの存在を想起してしまう。火消し役は、マネジメント層の評価は著しく高いが、現場の人々から見るとかなり厄介な側面を持つ。(経営コンサルタント、元アクセンチュア マネジング・ディレクター 中野豊明)
小池百合子氏を見て思う
職場で「火消し役」と呼ばれる人の存在
周知の通り、7月5日に投開票された東京都知事選は過去最多の22人の候補によって戦われたが、「信任投票」と揶揄(やゆ)されたとおり、現職の小池百合子氏の圧勝に終わった。
小池百合子氏のこれまでの発言や振る舞いについては、豊洲市場移転時の土壌汚染の件や新型コロナでいち早く感染爆発・重大局面として庶民の耳目を集めるやり方が「最初に恐怖に訴えかける手法」などといわれている。また、東京アラートやウィズコロナなどカタカナを使った分かりやすい表現にも特色があるという。
小池百合子氏の政治家としての手腕や功績について、本稿で述べるつもりはないが、私は小池百合子氏の一連の発言やその後の物事の進め方を見ていると、どうしても想起せざるを得ない存在がいる。