ダイヤモンド決算報#ANAPhoto:photolibrary

ANAホールディングス(HD)の2021年3月期第1四半期決算は、過去最悪の結果となった。エアライン国内最大手のANAグループで、事業構造改革と共に大リストラが始まる。(ダイヤモンド編集部副編集長 臼井真粧美)

コロナ危機が深刻度を増し
事業構造改革の策定は先送り

 ANAグループが絶望の淵に立っている。7月29日に発表されたANAホールディングス(HD)の2021年3月期第1四半期決算は、「四半期決算では、過去最大の損失となった」(福澤一郎取締役常務執行役員)。もっとも、これは想定通りのものだ。

 ANAグループの絶望を深めたのは、そんな分かり切った決算数値ではない。第1四半期が終わったタイミングでコロナ危機が深刻度を増したことにあった。

 ANA HDは当初、コロナ危機に対応した事業構造改革を策定し、8月までに公表するはずだった。これを7月になって取りやめた。コロナ危機が長引くことが明白になったことで再検討に乗り出し、策定公表を秋まで先送りしたのだ。

 その内容は、事業構造をさらに大きく見直し、大リストラを伴うものになる。