感染防止のマニュアルを策定
約100人参加「模擬披露宴」で検証

 同社では、コロナ禍でも挙式・披露宴を安心・安全に行うために「オペ―レーションマニュアル」の策定を決めた。「結婚式は、多くの人が集まるが、不特定多数ではない」(岩瀬社長)ことを前提とした上で、行うことを決めたのが主に以下の3点だ。

 1つ目が、健康状態のチェック。スタッフには毎日の健康状態のチェックと2週間分の健康状態を履歴に残す仕組みにした。また顧客には、式の当日に体温を測るのに加え、アンケートを行って、過去とその日の体調を確認するオペレーションにした。

テイクアンドギヴ・ニーズデザートブッフェもデザートの上にカバーをかけ、スタッフが配るオペレーションになっている 写真提供:テイクアンドギヴ・ニーズ

 2つ目が衛生管理だ。例えば、受付でサインをするボールペンは毎回取り換え、アルコール消毒を行うなど、式の開始前から接触感染対策を徹底。除菌のためのアルコールシートも1人ひとりに配る。メニューはこれまでスタッフから口頭で説明していたが、各座席にメニューを置くオペレーションに変更した。またマスクについては、スタッフは着用する一方、来場者については新郎新婦や参列者の判断にゆだねているという。

「結婚式ではスタッフが写真撮影を頼まれる機会も多い。しかしそれでは接触感染のリスクもある。そのため、料理を配膳するスタッフはそうした対応をせず、別のスタッフが対応するなどのルールも作った」(岩瀬社長)

 3つ目がソーシャルディスタンスの確保だ。披露宴の1テーブルでの席数は、従来の半分に減らし、席と席の距離を広げた。また、新郎新婦が希望する場合には、席と席の間にアクリル板を設置するオプションも用意している。

 上記の対策については、同社ホームページに掲載したり、招待状にQRコードを入れたりして、参列者が事前に認識できるようにしているという。

 これらを含むマニュアルを策定しても、やってみなければ実際に運営できるか、スタッフの安全性が保てるのかはわからない。そこで同社では6月16日に模擬披露宴を実施。参列者役が40~50人、スタッフ役が20人、マニュアルを検証する社員が約25人の合計およそ100人が参加することで、さまざまな課題も浮かび上がってきたという。