緊急事態宣言下の中年男性
“夜の街自粛”の大まかな傾向

 前々回で取り上げた男性らのケースを、重複にはなるがここで改めて紹介したい。主に緊急事態宣言下での立ち回りだが、三者三様の取り組み方で、この3パターンが全体の大まかな傾向を表していると思われるからである。

・パターン1:厳格自粛タイプ・Aさん(39歳男性)
 彼は女の子のいるお店大好きな独身男性だが、性格は真面目で、緊急事態宣言下において自宅のある区の外に出たのは「オフィスのPCを取りに行った時だけ」という、厳格な自粛を貫いた。女の子のいるお店が大好きではあるが、高潔な武士のような人物である。

・パターン2:人間らしいバランス感覚・Bさん(39歳男性)
 彼は良識あるバランス感覚の持ち主である。外で飲めない分、代替行為として自宅で飲むことが増えた。女性のいる店も自粛していたが、これもまた代替行為として性的サービスを伴わないメンズアロママッサージ店に一度だけ行ってしまい、それを後悔している。人間が完璧に振る舞うことの難しさを身をもって我々に教えてくれた、まことに人間らしい、人間の鑑のような人物である。

・パターン3:不良中年代表・Cさん(42歳男性)
 世の中新型コロナでなんたら宣言だろうがお構いなく、コロナ以前と変わらずに飲み歩いている。妻の締め付けはいよいよきついが一向に悪びれず、「ランチ営業に行くのも大して変わらないし、なんなら夜の街より通勤電車の方がリスクは高いのでは」という若干正当性が認められそうな持論を胸に秘めている(仮にその持論が正しくてもCさんの行動が正当化されるわけではないが)。そんなCさんにも「元から密な店は好きじゃない上、(女性の)接客を伴う店にはほとんど行かない」という趣向に基づいた傾向があり、この特殊性が、Cさんが“最悪なる不良中年”と認定されるのをかろうじて押しとどめている。
 
 パターン1から3までは、紹介順に「厳格~奔放」というグラデーションになっていて、およそ全ての人の自粛の実態をこの1~3のどこかに当てはめることができる。たとえば筆者の場合、引きこもりなので“結果的に厳格”だが、密な店(女性の接客があるお店ではない)に2度ほど足を向けたことがあるので、先のパターンに当てはめた数値を仮に“自粛度”として表現するなら、筆者は1.6くらいである。
 
 彼らを取材した後、緊急事態宣言が解除され、ぼちぼち外食の機会が増えるなどしてきている。

 しかしAさんと似た厳格な自粛態勢を敷いてきたDさん(31歳男性)は、「女性の接客がある店には行きたいけど、クラスターの話も聞くし怖いから、まだ控えている」と話していた。
 
 次に紹介する2人は夜の街が大好きな男性、もとい女性が大好きな男性であり、彼らの緊急事態宣言解除後の行動を追ってみたい。