ただ、韓国には5Gに必要な半導体の重要技術を持つサムスン電子がある。サムスンごと中国側に行かれると日米の国益上も打撃になる。日本としても断交までいくわけにもいかず、かなり苦渋の対応を続けざるをえない。

 当面は半導体製造に必要なフッ化ポリイミドや高純度フッ化水素など戦略物資の対韓輸出を抑制することで対応していくしかないが、韓国側も国産化や輸入先の多様化はもちろんのこと、迂回輸入(日本産を他国に仲介させて輸入すること)まで画策している疑惑もあり、さらなる監視と対策も必要になる。

日韓請求権協定を
司法が無視する理由

 なぜ国際協定を無視した判決を韓国司法が平気で出すのか、不思議に思う向きもあるだろう。

 それは、先述したように韓国の保守派政権から革新派政権の政権交代は、単なる政権の入れ替えではなく、クーデターのようなものだからである。だからこそ、前政権の大統領をはじめ多くの要人が逮捕されてしまう。

 1965年の日韓請求権協定は、親日派である朴正熙(パク・チョンヒ)大統領が結んでいる。文大統領の発想では、保守派政権の作ったルールは「自分とは関係のないもの」だ。

 朝鮮半島は北と南に分かれているのではない。北と南北に分かれているのである。韓国は北と南でできているのであり、今は「北」にアイデンティティーを持つ大統領が政権を取っていると考えるべきだ。朝鮮戦争の英雄である白将軍を軽んじたのも、朝鮮戦争の「敵」が自分にとっての「味方」であるべき北朝鮮だったからだろう。

 そうなると、文大統領が政権を握っているうちは、元徴用工問題を解決するのはほぼ絶望的だろう。それでなくとも、文大統領は結果に責任を感じない無責任大統領である。おそらく放置したまま何もしないのではないか。

 そして次も左派大統領であれば、徴用工問題は長期にわたって日韓両国を苦しめることになるだろう。