いろんな視点から社会を見てほしい

水野敬也:Tomyさんのようなグループの視点があったなんて、当時は気づいていませんでした。僕はモテ・ピラミッドをひたすら登り続けようとしていたけど、実はいろんな文化圏が共存していたんですね。

実は、同じ東海高校の後輩で、「PoliPoli」という政治プラットフォームを作った伊藤和真君という人がいます。彼とはTwitterでやりとりするうちに意気投合したんですけど、会って話をしてみたら、ビックリするくらいリア充(=リアルな生活の充実)なやつだったんです。彼は、僕らの時代にはなかったヒップホップダンス部の部長を務めて、ニューヨーク留学までしていたんです。めちゃくちゃ自己肯定感が高くて、なんでこんなやつと意気投合してしまったんだと愕然としました(笑)。

ただ、彼は、ヒッチハイクをして色々な人と交流するなかで社会の矛盾に気づき、政治に興味を持ち、政治コミュニティアプリを立ち上げたというんです。僕とは歩んできたルートがまったく違うけれど、社会問題に対する興味という点では話が合うし、Tomyさんの本に書いてあるような内容は、彼が読んでもしっくりくると思うんです。よく考えたら、僕とTomyさんと伊藤君の3人の間でも、見事に多様性が成立していますね。

読者のみなさんには、Tomyさんや僕の本を目にすることで、いろんな視点があることに気づいていただけると嬉しいです。