多様な価値観を生きるということ
1978年生まれ。某名門中高一貫校を経て、某国立大学医学部卒業後、医師免許取得。研修医修了後、精神科医局に入局。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、産業医。精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務。2019年6月から本格的に投稿を開始したTwitter『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』が話題を呼び、フォロワー数が急増。覆面で雑誌、テレビ・ラジオ番組にも出演。舌鋒鋭いオネエキャラで斬り捨てる人は斬り、悩める子羊は救うべく活動を続けている。前著『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)は発売即、大反響となりベストセラーに。最新刊『精神科医Tomyが教える 1秒で悩みが吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)も発売即、大重版となっている。
精神科医Tomy:最近、よく「多様性」とか「ダイバーシティ」って言葉が使われていますよね。「多様性を認めよう」って言われたら「そうだね」と答えるしかない感じになっていますが、実は多様性って何のことかよくわかっていないところがあると思うんです。ただ、水野先生のお話を聞いているうちに、実は母校の中高一貫校にも多様性があったんじゃないかと気づきました。
文化祭のシーズンになると、そわそわして挙動がおかしくなる人が出てきます。その日が唯一、女子校の人たちと交流できる日だからです。ただし、よく見ると、そわそわしているのは外交的でナンパなグループだけ。それとは別の地味なグループというのもあって、彼らはアニメとか収集しているコレクションとかテストの成績の話はするけれど、女子の話は一切しない。ボクもそういうグループに属していました。
ボクがゲイをはっきりと自覚したのは大学生のころで、中高のときは「女の子にはあんまり興味がないな」というくらいの感覚でした。ボクたちのグループにとっては、「文化祭になると、いつもワーワーにぎやかな人たちが、どこかにいなくなるよね」という感覚なんです。
アメリカの学園ドラマを見ていると、オタクな人たちって、どんなに成績がよくてもヒエラルキーでは下層扱い。もしくはアウトロー的な存在なんですね。でも、母校にはオタクな人たちとナンパな人たちが、お互いを否定せずに共生できる文化があったと思います。少なくとも、ヒエラルキー的ないじめは体験しなかった。今にして思うと、そういう雰囲気に救われていたのかもしれないです。