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新型コロナウィルスの影響で、世の中が大きく変わりつつある。そんな変化の激しい現代において「子どもに何をしてあげられるか」と悩んでいる親は多いのではないだろうか。
そこで、これまで教育を軸に取材を重ねてきた著者が、教育学から心理学までさまざまな資料や取材を元に、「家での勉強のしかた」から「遊び」「習い事」「運動」「食事」まで、子育てのあらゆるテーマをカバー、「いま、最も子どものためになる」ことを『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』(加藤紀子著)にまとめた。
発売早々、高濱正伸氏(花まる学習会代表)が「画期的な1冊が誕生した。長年の取材で得た情報を、親としての『これは使えるな』という実感でふるいにかけ、学術研究の裏付けやデータなども確認した上でまとめあげた力作である」と評するなど話題騒然の1冊だ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

生まれもった想像力を伸ばしてあげる

 ロシアの心理学者レフ・ヴィゴツキーは、「人間がもつ想像力は、創造力の重要な基盤となる」といっています。そして、遊びや趣味にこそ、さまざまな創造に結びつくタネがあることを指摘しています。

 想像力は芸術的な分野に限らず、科学、そして日常生活や人間関係などにも欠かせないものです。ヴィゴツキーによると、想像力は一部の天才だけに備わった特殊な能力ではなく、すべての人に備わっているといいます。

 パブロ・ピカソも「子どもは誰でも芸術家だ。問題は大人になっても、芸術家でいられるかどうかだ」という言葉を残しています。子どもが生まれながらにもっている想像力を損なわず、豊かに育んでいくことは、新しい未来を創造していく力になります。

 では、子どもの「想像力」を伸ばしてあげるにはどうすればよいでしょうか?

【その1】「自由」に遊ばせる

 子ども用のプログラミング言語「スクラッチ(Scratch)」を開発したMITのミッチェル・レズニック博士は、幼稚園での子どもたちの学び方に注目し、「すべての世代の学習者は幼稚園児のように学ぶべきだ」といっています。そして、子どもたちが自分で選んだ遊びを楽しみながら、実験したり、つくったり、いろいろな挑戦をする体験こそがとても大切だといいます。

 ところが、子どものスケジュールをすべて習い事などで埋めてしまったり、テレビやゲーム、YouTubeに時間を奪われるばかりでは、内面から湧き出る想像の芽に気づく余裕がなくなってしまいます。

 親は子どもに、自分のペースでゆったりと過ごせる時間をつくってあげる必要があります。

 なお、アメリカ・トレド大学の児童発達学の研究チームによると、おもちゃは少ないほうが子どもはより長い時間集中して遊び、探究心や想像力を発揮しやすくなることがわかっています。

 子どもにとってはむしろ空き箱や空き缶のようなものがおもちゃ以上に想像力をかきたてる楽しい遊び道具になります。

【その2】「友だち」と遊ばせる

 遊ぶときや何かをつくったりするときは、協力したり共有したり、刺激し合ったりできる仲間がいると、想像力がさらにふくらんでいきます。

【その3】「本」を読む

 読書は、現実では体験できないことを想像の中で体験させてくれます。読み聞かせは、親子で想像の世界に入りこむことができる楽しい時間です。

【その4】「応答」する

 言葉の発達は、子どもの想像力に影響します。法政大学の発達心理学者、渡辺弥生教授によると、たとえば子どもが雲などを見て「◯◯に見えるね」と言ったら、「そうだね」と受け止めてあげるだけでなく、「ママ(パパ)には××にも見えるなぁ」などと自分なりのイメージも伝えてあげるとよいそうです。

 子どもはそうした対話を通じて言葉を豊かにすることで、想像の世界を広げていくのです。

【その5】「無駄」も大切にする

 心理学では、想像は何もないところから湧き出るのではなく、過去の経験を素材にして生み出されるといわれています。

 大人からすれば「どうしてそんなことにこだわるのかな」と理解できないようなことでも、子どもの経験は一つひとつが、いまのその子にとって必要なものです。一見、無駄に見えるようなことをしていても、じっくり見守ってあげることが大切です。

(本原稿は、『子育てベスト100──「最先端の新常識×子どもに一番大事なこと」が1冊で全部丸わかり』の内容を抜粋・編集したものです)