仕方なく相手の要求に従うと
クレーマーの餌食に!

 このクレーマー、実は最初から金銭狙いのブラッククレーマーでした。ブラッククレーマーの、じわりじわりと忍び寄るような攻撃は、夕方という、店舗にとって最も多忙な時間帯を狙って起こりました。

 当然、従業員は手いっぱい。それぞれの忙しい業務中に、どすの利いた声で「今すぐに対応しろ!」と怒鳴られたら……。電話を受けた女性従業員は狼狽し、「すぐに謝罪に来い!」という相手の要求にすぐさま従ってしまったのです。その報告を聞いた店長は、「今さらどうすることもできない……」と、腹を決めて、要求通り1人で相手宅を訪問したのでした。

 店長が腹をくくって解決のために、1人立ち向かうというシチュエーション。一見、これが正解のような対応ですが、理不尽なクレーマーの餌食になる原因は、まさにここにあります。

 些細なことでも仕方なく相手の要求に従う行為は、クレーマーたちにとって非常に都合の良いパターン。蜘蛛の巣のように張り巡らされた罠で相手から冷静さを奪い去る、クレーマーが仕掛ける“攻撃”なのです。

 普段からクレーム対応に自宅を訪問する際は単独ではいかないことは教育していたとしても、現場は、人手不足で忙しい時間帯に人員を確保できないことも多々あるのです。クレーマーはこうした量販店の弱みを巧みに突き、狙い(ポイント)を絞って対応する者に襲い掛かってきます。