「あの西和彦が、ついに反省した!?」と話題の一冊、『反省記』(ダイヤモンド社)が出版された。マイクロソフト副社長として、ビル・ゲイツとともに「帝国」の礎を築き、創業したアスキーを史上最年少で上場。しかし、マイクロソフトからも、アスキーからも追い出され、全てを失った……。IT黎明期に劇的な成功と挫折を経験した「伝説の起業家」が、その裏側を明かしつつ、「何がアカンかったのか」を真剣に書き綴った。今回は、22歳の西氏がビル・ゲイツと出会ったきっかけを振り返る。

22歳のビル・ゲイツと盟友関係を築いた驚くほど“小さな”きっかけ左から西和彦、ビル・ゲイツ、ポール・アレン。ビルと西が22歳のときに、ニューメキシコ州アルバカーキーにあったマイクロソフト社にて撮影。

「感動」がすべての原点である

「面白い!」

 心の底からそう思う瞬間がある。

 いわば、感動する瞬間だ。「すごい!」でもいいし、「何だこれは!」でも何でもいい。人生には、必ず感動がある。僕は、その感動こそが、よい仕事の出発点にあると思っている。

 もちろん、ビジネスに育てていくうえでは、「実現可能性」や「市場性」などといった観点も不可欠だが、これらは二の次。原点に感動がなければ、何も始まらないし、よい仕事にはならない。何よりも大切なのは、感動を原動力に一歩を踏み出すことなのだ。

 ビル・ゲイツとの出会いもそうだった。

 株式会社アスキー出版(のちに株式会社アスキー)を創業した翌年、1978年のことだ。