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レビュー

『問い続ける力』書影『問い続ける力』 石川善樹著 筑摩書房刊 880円+税

「よく考えなさい」と言われた経験は誰しもあることだろう。しかし、「よく考える」とは具体的に何をしたらいいのか。明快な解を持っている人は多くはないだろう。

 著者の石川善樹氏は、予防医学の専門家であり、「考える」ことを生業にしている。しかし、本人によると、自分は長らく「では派」であり、考えることを避ける傾向にあったというのだ。「では派」とは、「○○では」と、すでに得られている定説を参照して答えを求める人たちのことを指す。それに対して、「△△とは何か?」と問い続け、新たな知識を創り出す人たちは、「とは派」と定義される。常に問い続けなければならない「とは派」の道は、苦しみに満ちている。しかし、情報に頼らず自分の直観を頼りに一歩ずつ進んでいく。著者は、そんな「とは派」の生き方に憧れていた。本書『問い続ける力』は、そんな著者の「問い」をめぐる旅の記録である。

 本書は二部構成になっている。前半では、著者の経験や著名人の思考法、研究結果を交えながら、「問う」ことについて掘り下げていく。後半では、著者が知り合った「とは派」の人々、つまり問い続ける達人たちとの対談が収録されている。いずれも知的好奇心をくすぐる内容だ。