オンライン入試は自粛となった東京私立中学高等学校協会(東京・千代田区)

短かった夏休みが終わり、中学受験本番まで半年を切った。新型コロナウイルス禍の行方が不透明な現状で、2021年入試はどのように行われようとしているのか。最新の状況を探ってみた。(ダイヤモンド社教育情報)

東京は断念、神奈川は併用可のオンライン入試

 東京都内の私立中学184校・高校239校が会員となっている東京私立中学高等学校協会(千代田区)は、9月3日に開かれた理事会で、2021年2月から行われる入試については、自宅で受験可能となるようなオンライン入試は見合わせることになった。

 一方で、これまでは自校の施設に限られていた受験会場については、近隣であれば設定可能とした。直接には密な状態を避けるためにスペースを確保するという意味合いだが、その活用の仕方によっては新しい入試の実施も可能になるということで、ちょっとした変化でもある。効果が見込まれているのは、2019年に一大ブームとなった午後入試用の会場として利用できるという点だろう。

 東京の協会が「オンライン入試」を断念した最大の理由は、不正行為を排除しきれないという懸念がぬぐえなかったことにある。これに対しては、企業からのオンライン入試実施システムの提案も出てきており、実際にこれらを適用していくことで、より実用的なものへと進化していくことが望まれる。

 もう一点、新型コロナの蔓延状況によっては、入試解禁日(2月1日)を一斉に変更することについても申し合わせがあった。とはいえ、その実効性については、制約要因が多いこともあってどこまで有効なのかは未知数だ。一つには、日程変更が数日程度のような場合が想定しうるのかという点であり、もう一つは高校や大学の入試日程との関係という点である。特に後者は、2月の10日あたりから始まるため、そこで日程がかぶるような事態は極力回避したいとなるだろうからでもある。

 この連載でも以前取り上げたように、帰国生対象ではオンライン入試を実施した学校も出ている。また、オンライン入試をにらんで準備を進めてきた学校もあり、今回の協会の決定を受けて、募集要項から関連の文言を削除しないといけないなど、対応に大わらわという状況になっている。

 青稜中学校・高等学校のように、すでに今年はオンライン入試を実施すると説明してきた学校もある。いまのところ、受験生が自宅で受けるのではなく、会場オンライン入試に切り替える予定としている。どのような形での実施なのか、非常に興味深い。

 同じく2月1日解禁の神奈川では、東京とは異なり、会場とオンラインの併用は認めるという判断が示されている。オンラインだけの入試はダメという縛りがあるものの、どのような実施例が出てくるのか。すでに、北鎌倉女子学園では対応策を検討している様子だ。