打ち合わせを、戦場だと思っていませんか。
自分が考えた案を分かってくれない上司や同僚を恨んだりしていませんか。
しかしそれでいいのです。「分からない」ことが分かったことが第一の収穫です。
どこが分からないのか、どうしたら分かりやすくなるのか、しつこく聞いてみましょう。
それが上手な打ち合わせの使い方です。
博報堂のクリエイティブディレクター/CMプラナーである井村光明さんがダイヤモンド社から上梓した「面白いって何なんすか!?問題」から、一部を引用して考えてみたいと思います。

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打ち合わせはただ褒めてもらうだけの場所ではない

当時の僕は、打ち合わせをうまく使えていなかったんですよね。

とにかく自分が考えた企画を採用されたい、面白いと言ってもらいたい、極端に言うと打ち合わせをただ褒めてもらいたいだけの場所のように思っていました。

なので、自分の企画がボツになると自分という存在を否定されたように感じて、「どうして分かってくれないんだ」と、上司を散々呪ったりしていた。

後輩と一緒の打ち合わせなどは絶対負けられない戦いで、後輩が誰にでも思いつきそうなアイデアを持ってきて、それを上司が「分かりやすいなあ」などと褒めたりすると、「ていうか、普通なだけじゃねえかよ」と斜に構えた気持ちになったりしていました。

言葉で書くとこうなりますが、言葉ほど陰湿ではありません。みなさんもそう思うことありますよね?

あ、ないですか。まあ、僕は態度にも出ていたようで、上司や先輩から気難しく扱いづらい奴と思われていたようです。

ともかく、褒められたい、採用されたい。面白くない、とか、分かりにくい、なんて聞きたくない。自然と上司からのそんなアドバイスに聞く耳を持たなくなっていたように思います。

が、グルインの時思い出したのは、そんな僕に上司がよくかけてくれていた言葉でした。

「井村は少し難しく考えすぎなんじゃないか? もっと楽に考えてみろよ」

やんわりと、まるで僕が難しいことにチャレンジしてるようにも聞こえる言葉で、分かりにくいことを伝えようとしてくれていたんだな。

人としても、プラナーとしても、分かりやすくなろう。当たり前ですが、グルインと違って、打ち合わせでは「よそ見」をしている大人はいません。

なにより、その場にいる全員がその商品を熟知している、それをふまえて企画のどこが面白いかを分かろうとしてくれる。

そこで「分かりにくい」と言われようものなら、世の中の人には理解不能だと考えたほうがいい。

そう素直に思うようになりました。

打ち合わせを、分かりにくいかどうかチェックする機会、と明確な目的を持ってポジティブに思えるようになったのです。

遅すぎてお恥ずかしいのですが、30歳は会社員の反抗期、みなさんも反抗期ありましたよね?

あ、ないですか。

その反動のせいかそれからの僕は180度変わり、分かる分からない、をしつこく周りに聞く人となりました。