優秀なエリートには共通点がある。彼らは「真面目に、我慢して、一生懸命」ではなく、「ラクして速く」をモットーに、効率よく結果を出し続けている。まじめさと仕事のパフォーマンスは比例しない。24年間で5万人以上のクビ切りを手伝い、その一方で、6000人を超えるリーダー・幹部社員を選出してきた松本利明氏の新刊、『「ラクして速い」が一番すごい』から、内容の一部を特別公開する(構成:中村明博)
やり直しを防ぎ、
一発で決めるコツは?
上司や取引先から頼まれた仕事は「一発OK」をもらいたいものです。
しかし、こちらが苦手と感じる相手に限って「指示した内容と違う」「データの分析が甘い」「そもそも論だけど」と、やり直しが多くなりがちです。やり直しは、生産性とモチベーションを一気に下げます。ではどうすればいいか。
実は簡単。確認やチェックの回数を増やせばいいのです。
苦手な相手ほど「なるべく話したくない」「打ち合わせは1回ですませたい」と、避けたい気持ちになります。
しかし、1回の長いミーティングでは一度ひっくり返されたら終わりです。それよりも、1回のミーティング時間を短くし、そのぶん回数を増やしましょう。短い打ち合わせをたくさん行うのです。
1時間のミーティングで勝負するのではなく、5~6分の短い打ち合わせを10回行うイメージです。
ここで心配になるのが、確認回数を増やすことで「この前言っただろう。何回言えばわかるんだ!」というように“仕事のできないヤツ”と思われないかです。
「短い打ち合わせ」のすごい効果
ご安心ください。どんな上司、取引先も「私のことを大切な存在と見てくれているか」と、常に不安に思っており確認されると逆にうれしいのです。
• 進捗状況を知らせ、安心させてほしい
• 私に対して尊敬の念を抱き、言うことを聞いてほしい
リストラされるビジネスパーソンだけでなく、優秀な将来の幹部候補でも、部下や取引先に対してこの2つの思いを持っていました。
苦手意識があってもなくても、距離をとったり、報告を怠ったりすると、「自分のことを大事な存在と思っていないのでは?」と疑いの芽が出てきます。その芽は徐々に、あなたが「ダメなヤツ」という認識にすり替わっていくので危険です。
逆に、どんな小さなことでも報告したり、確認を怠らない人には、「私を大事な存在と認めてくれている」と、信頼感が高まるのでやったもの勝ちなのです。
短い打ち合わせは10回もかからないでしょう。となると、トータルのミーティング時間も減ります。さらに相手からは「すぐ確認してくれるので、信頼できる。かわいいヤツだ」と評価も上がります。