クリエイティブの答えは一つではない。クリエイティブは自由。可能性は無限大。
しかし…なぜか似たようなCMばかり、同じタレントばかりだと思いませんか。
クリエイティブの宇宙は無重力なだけではないのです。見えない引力が働いているのです。
博報堂のクリエイティブディレクター/CMプラナーである井村光明さんがダイヤモンド社から上梓した「面白いって何なんすか!?問題」から、一部を引用して考えてみたいと思います。
宇宙と引力
クリエイティブの答えは一つではない。
可能性は無限。
まるで宇宙のようです。
人と違って構わない。
自分らしく個性を発揮して自由に考えればいい。
無重力の空間を、どんな方向へもどこまででも飛んでいける。やはりクリエイティブとは宇宙なのです。
しかし、可能性は無限のはずなのに似た表現が生まれ易いのはなぜでしょう。
「宇宙は無限で無重力」という都合のいいイメージばかりを強調されて、我々は洗脳されているのではないでしょうか。
宇宙は無重力なだけではありません。
引力が働いているのです。
我々の脳は無重力で自由に考えてるように錯覚していますが、実は目に見えない引力に引っ張られていると考えた方が現状を証明できはしないでしょうか。
自由に考えているつもりでも、見たものや読んだものに引っ張られている。だから似てしまう。「面白い」や「目立つ」には基準がないから、頭のどこかが過去に見た何かの引力に引っ張られて、それに似てくると無意識に安心するのかもしれない。
むしろ、脳は不自由なもので、引力によって似たことを考えがちである、と思っておいた方がいいのかもしれません。
その証拠と言ってはなんですが、一見自由に見える宇宙、しかしよく見ると自由どころか、地球は太陽の周りを、月は地球の周りを、グルグルグルグル同じ所を回るばかりで一歩も進んでいません。
恐ろしいことに、まるでフリーズした僕らの頭のようではないでしょうか。