【効果の立証】
ライフキネティックは脳に変化を生じさせる力がある

 2014年、メンタルヘルス中央研究所(ドイツ、マンハイム)のガブリエレ・エンデ教授とトラウテ・デミラッカが率いる研究チームが、MRIを用いた実験で、ライフキネティックによって脳のさまざまな領域が連携して活動することを証明し、2016年にその結果を学術誌に連名で報告している。

 とくに「運動に関連する領域」と「視覚情報や聴覚情報に関連する領域」の間で神経回路が増えていることが認められた
それ以外にも、「ワーキングメモリに関連する領域」「自分の行動を検証してコントロールする役割を持つ領域」「運動の実行とコントロールを担う領域」の間でも、神経回路が増えることがわかった。つまり、ライフキネティックは脳に変化を生じさせる力があるといえる!

【体験者の声】
「神経可塑性が明らかに高まった」
メンタルヘルス中央研究所・ニューロイメージング科のガブリエレ・エンデ教授とトラウテ・デミラッカ

「私たちの研究で、ライフキネティックによって一部の脳領域間のつながりが強化されることを証明することができました。この結果には少し驚きました。というのも、別のいくつかの研究で、ライフキネティックのプログラムとは異なる、つねに同じような運動課題に挑戦するプログラムを被験者に行なってもらったところ、これほどの変化は認められなかったからです。
ただ、ライフキネティックのエクササイズにはあまりにも多くのバリエーションがあり、また何度も繰り返すことをしないエクササイズであるため、研究の開始時には、私たちは『これらの効果を測定することなどできるのだろうか』と心配になりました。しかし、そのような心配は無用でした。実際に、神経可塑性が明らかに高まったのですから。脳領域間での連携の強さは、作業効率の指標となりますし、認知能力や知能と相関しています