中年期の肥満と認知症の関係性
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中年期の肥満で認知症リスクが高まる?

 中年期に肥満だった人は、その後の認知症リスクが高まる可能性があることが、100万人を超える英国女性を対象とした研究から明らかになった。英オックスフォード大学のSarah Floud氏が実施した研究から、50歳代半ばに肥満だった女性は、適正体重だった女性と比べて、15年後以降に認知症と診断されるリスクが21%高いことが分かったという。研究結果の詳細は「Neurology」12月18日オンライン版に掲載された。

 Floud氏らは今回、英国で1935年から1950年の間に出生した女性の約4人に1人に当たる113万6846人を追跡した。研究開始時の女性の平均年齢は56歳で、全て認知症のない女性であった。同氏らは、参加者の肥満度(BMI)を評価したほか、食事のカロリー摂取量と運動習慣に関する情報を収集した。

 ベースライン調査から15年後には89%が認知症なく生存しており、その後、1万8695人が平均77歳で認知症を発症した。分析の結果、15年後以降の追跡期間中に、ベースライン時に肥満だった女性は、その後、約2.1%が認知症と診断されたのに対し、適正体重の女性では1.6%にとどまっていた。

 専門家の一人で米アルツハイマー病協会のKeith Fargo氏は「今回の研究結果は、中年期までの生活習慣や行動が、老年期の認知症リスクに影響を及ぼすことを示す新たなエビデンスとなるものだ」と述べている。

 同じく専門家で米ノースウェル・ヘルスのGayatri Devi氏は「高コレステロールや炎症レベルの亢進、脳卒中リスクの上昇など、肥満と関連する因子の多くは脳にも悪影響を与える」と指摘。「肥満の人は睡眠時無呼吸のため脳に十分な酸素が行き渡っていない可能性もある」と付け加えている。この意見には、Fargo氏も同意し、「脳の機能や構造を維持するのに必要な身体能力を妨げるものは何であれ、加齢とともに認知機能が低下するリスクを高める」と述べている。