アベノミクスに対する
「一般的評価」は正しいか
7年8カ月と長期にわたった安倍政権が終わることになり、その経済政策であるアベノミクスの総括が盛んだ。
一般的な「評価」は以下のようなものだ。
(1)アベノミクスの第1の矢「大胆な金融政策」と第2の矢「機動的な財政政策」を打ち出すことによって、円安・株高が一気に進み、世の中のムードを明るくした。
(2)アベノミクスの効果で景気が回復に転じ、戦後最長とはならなかったものの、長期の景気拡大が実現した。
(3)残念ながら第3の矢である「民間投資を喚起する成長戦略」が力不足で、経済成長率はあまり高まらず、デフレ脱却は道半ばであった。
こうした評価は果たして妥当なものか。