上司は部下の成長をサポートする立場であってほしいのです。ところが、現実には部下の言うことを聴いているつもり、見ているつもりになっていることが少なくないのです。「自分が話すことに夢中になっていないか」、「相手の話を聞き流していないか」、「相手の話を最後まで聞かずに遮っていないか」を振り返っていただきたいと思います。

リモートのメリットを生かし
面談の時間を確保する

 リモートワークで顔を合わせる機会が少なくなり、コミュニケーションが取りにくくなったのはたしかですが、それは言い訳でもあります。リモートだからこそ時間を捻出しやすく、部下との面談の時間が確保できるようになったというプラス面もあります。部下をしっかりみるようになると、部下も「相談しやすくなった」、「自分の意見が言えるようになった」と感じることでしょう。そんなふうに変わっていくチャンスにも変えられるのです。

 10分間の面談は一つの事例にすぎません。ウィズコロナの時代、大きな変化が起きている今こそ、新しい時代に合った「コミュニケーション」をつくりだしていってほしいのです。

 企業内キャリアコンサルタントは、このような職場の問題に目を向け、気づきを与え、解決に向けて動く存在でありたいと考えています。問題の解決が見え、「個」がイキイキすることが、「組織」のイキイキにもつながります。

 次回は、リモートワーク時代に企業内キャリアコンサルタントが果たす役割について解説します。