株価,経済
実体経済を反映していない株価の背景には何があるのでしょうか Photo:PIXTA

実体経済は悲惨であるが、株価は好調である。それは株価が美人投票で決まるからだ。(経済評論家 塚崎公義)

実体経済は悲惨

 新型コロナに伴う自粛等により、実体経済は悲惨な状況にある。観光地や飲食店などは客が激減しており、倒産予備軍が日に日に増えている状況である。

 問題は、こうしたセクターに対する有効な支援策が見当たらないということである。せいぜい給付金を交付して倒産を回避してもらうといった程度だろう。

 しかも、収束が見通せない。新型コロナがゼロになることは考えにくいから、人々の意識が変化して、「新型コロナに罹患する確率がゼロではないけれども、旅行に行こう、飲みに行こう」「旧型インフルエンザに罹患する確率だってゼロではないけれども、旅行にも飲みにも行っていたではないか」と考えるようにならなければいけない。それがいつのことなのか、現時点で見通すことは容易ではない。

 そんな実体経済にふさわしい株価といえば、今よりはるかに低い株価が「妥当だ」と考えるのが、実体経済を見ている人の素直な感想だと思う。筆者ももともと景気の予想屋なので、今の株価には違和感を覚えている。

 不況下の株高といわれる現象は従来も存在したが、それは景気回復を予測した市場関係者が先回りして株を購入し、景気回復後の収益に見合った株価が不況期に実現するといった場合であろう。

 今回のように景気の回復が見通せない時に株価だけ上昇するのは、従来の不況下の株高とは異なる現象である。