米国疾病対策センター(CDC)「Crisis Emergency Risk Communication」米国疾病対策センター(CDC)「Crisis Emergency Risk Communication」
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1.Be First(一番であれ)

 危機的状況では、人は特に最初に耳にした情報を覚えているものです。噂レベルの情報で周りを不安に陥らせるリスクを最小限に抑えるためにも、わかっている範囲の情報を速やかに提供しましょう。今回のような感染症については、原因が不明だったとしても、注意すべき兆候や症状、高リスク者のプロフィール、治療に関する情報などを具体的に発信することが望まれます。

2.Be Right(正しくあれ)

 正しい情報を提供して、わかっていることとわからないこと、またそのギャップをどう埋めようとしているかを発信しましょう。

 一度でも間違った情報を提供すると、信頼を回復することは極めて困難です。必ず専門家の意見を仰ぎ、常に事実確認をしながら情報を発信してください。

3.Be Credible(信頼される存在であれ)

 誠実で、スピーディーに、科学的根拠に基づいて発信される情報は、人々から信用されます。情報がそろっていない時にはそれを正直に伝え、できない約束をしないようにしましょう。そして、医学的情報は、専門家から説明してもらうようにしましょう。

4.Express Empathy(共感を示せ)

 感染症が蔓延すると、人々は恐怖心を抱き、日常生活を送れなくなります。良く知られていない新奇の病気であれば、不安はより強くなります。感染症によって、人々はさまざまな痛みを経験しています。

 指示を出す際は、危機による痛みやそれぞれが置かれているであろう状況に共感し、信頼関係を築くようにしましょう。

5.Promote Action(行動を促せ)

 感染症対策では、人々が予防行動を正しく理解し実践できることが極めて重要です。そのために、簡単でわかりやすいメッセージを発信しましょう。目的志向の行動をとると、不安が減り、混乱の中でも「なんとかなる」という気持ちが生まれます。

6.Show Respect(敬意を示せ)

 傷ついている時には、思いやりの気持ちを伝え合うことがいつも以上に重要です。お互いを尊重することで協力することが容易になり、解決策がおのずと明らかになります。状況の受け止め方は人それぞれです。他の人の恐怖や心配の気持ちを軽んじないようにしましょう。