コロナ下でも活動を続ける
認知症カフェ「Dカフェ・ラミヨ」
コロナ禍の「3密」回避のため多くの集まりが休止状態にある。認知症の人とその家族の誰もが、医師や看護師などの専門職、それに地域住民たちと気楽に集う認知症カフェも例外ではない。その中で、東京都目黒区の認知症カフェ「Dカフェ・ラミヨ」は活動を続けている。「休もうとは思わない。参加したい人にとっては必要な場です。決して不要不急ではないから」と主宰者は胸を張る。
9月中旬、「Dカフェ・ラミヨ」を訪ねた。東急東横線祐天寺駅近くの住宅地。2階建ての普通の民家に「Dカフェ」の看板がかかり、表札に竹内弘道とある。玄関を入ると、階段に車いす用のリフトが目に入る。2階に上がると丸ごと「Dカフェ・ラミヨ」の会場である。
独り暮らし、77歳の竹内さんは自宅2階を認知症カフェの場に開放している。キッチンや大きなテーブル、いす、ソファなどが見渡せる広めのワンルーム仕様。開催は土曜、日曜のうち月3回。
参加者たちは300円の参加料を払い、氏名を記入。コロナ下なので検温も必須だ。テーブルを前に顔見知りの人たちが声を掛け合う。誰がスタッフで、誰が参加者なのかよく分からない。隣り合った人と話し出す。10人を超えた参加者たちが、そこかしこで会話を弾ませ、時には小さな輪になる。
常連らしい女性が、初参加者の友人女性Aさんを竹内さんに紹介する。竹内さんの問いかけに、「2人暮らしの認知症の母が認知症デイサービスに通っています」とAさん。ケアの話が続き、「そうですか、で、ケアマネはどこですか」「かかりつけ医はどなたですか」など竹内さんの声が聞こえる。
「これから先、どのようにしていけばいいのか。相談相手がいれば」とAさん。竹内さんは「ケアマネジャーさんと相談され、包括支援センターに行かれて、この先の短期、中期のプランを一緒に考えたらどうでしょうか」と提案する。