ドルが下落していることで、ここ数年鳴りを潜めていた取引が再び活気づいている。ドルを借り入れて高リスク資産を購入するキャリー取引だ。多くの投資家は高いリターンを求めて海外資産を買い入れている。資産運用会社アシュモア・グループは、ドルを売ってメキシコやインドネシア、ブラジルの現地通貨建て国債をポートフォリオに組み入れたと調査部門責任者ジャン・デーン氏は話す。今年は米国の金利が一段と低下し、ドル建て資産を保有する妙味が薄れているため、投資家はドルを手放してキャリー取引に振り向けている。連邦準備制度理事会(FRB)が金利をしばらくゼロ近辺に据え置く方針を表明しているため、この動きは当面続く可能性がある。