グローバル展開するファッション小売業界は、厳しい冬を迎える可能性がある。だが、少なくともこのコロナ危機を無駄にしてはいないようだ。スウェーデンの衣料小売り大手ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)の株価は、9月の売上高に関する好材料を受け、1日朝の取引で8%高となった。9月の売上高は前年同月比5%減と、同社が数週間前に公表した6-8月期の16%減から大幅に回復した。HMの6-8月期決算も収益予想を上回った。アナリスト予想では「かろうじて収支とんとん」とされていたが、HMの税引き前利益は 24億スウェーデンクローナ(約274億円)となった。HMだけでなく、「ZARA(ザラ)」の親会社で、時価総額で世界最大の衣料小売り企業であるスペインのインディテックスや、英ファストファッションチェーンのプライマークも同様だ。両社とも夏季に予想を上回る利益を上げた。