ただ、普通の会社、特に保守的な会社ではこうはいきません。日頃からアピールしたり相談する相手を、ある程度選ばなければなりません。また、現在関係のある「潜在顧客」や「過去の人脈」をメンテナンスしておく必要があります。

 その際、「誰がキーマンなのか=決定権を持っているのか」を把握して、その人につながる人以外には、連絡を取らない。これが大事なポイントです。

 現在の取引先や過去に社内で得た人脈に広く粉をかけすぎると、「節操のない人」「立つ鳥、跡を濁したね」などと言われ、今後の活動に支障が出てしまいかねないからです。どんなに綺麗に辞めても、全く業種を変えても、やはり以前の勤務先で得た人脈を利用すると、あまり良いイメージはつかないものです。ですから、「本当に意味のある」最小限の人たちに絞るのです。

 その上で、その人たちに、向こうが損しない範囲で(もしくは向こうが少しでも得をするような状況を作り)、決定権を持っている人につないでもらうのがポイントです。フリーになる焦りから、一方的に仕事や人脈を欲しがる「欲しがりさん」だと思われたら、一度きりの関係になってしまう可能性が高いです。

 また、せっかくフリーになったのだからと、常識で考えればアクセス不可能な相手、例えば芸能人や有名ビジネスパーソンに対して、蛮勇に等しい行動力を発揮して、無理に会いに行く人もいますが、これはお勧めしません。

 ちょっとした、「蜘蛛の糸」のようなツテがあるからと、憧れの人と会う機会を無理にセッティングしてもらったところで、その人から見ればあなたは「ファン」にすぎません。期待したほど良くしてもらえないので落胆し、不安になります。間に入ってくれた人がいる場合、その人も妙な疲れを抱えるだけです。

 まだ仕事人として何の実績もないのに講演会に行き、オンラインサロンに入会して、名刺交換をして少し話したところで、相手から見ればあなたは「後援会員」にすぎません。場合によっては、カモがネギを背負って鍋に飛び込んできた状態になりかねません。