8月のある木曜日、再生可能燃料を扱う無名の会社ゲボ(Gevo)が、米株式市場の売買高全体の1割以上を占めた。ゲボ株価はその日、0.55ドルから1.82ドルに跳ね上がった。大型受注を発表したのが買い材料で、大商いの様相を呈した。ローゼンブラット証券によると、その大半は取引所ではなく、個人投資家を相手にする証券会社が注文を流す回送先に集中していた。今年に入り、安価な銘柄の投機的売買が急増している。背景には、手数料無料をうたう株取引アプリやネット証券経由で個人投資家が群をなして市場に流入していることがある。今年春から夏にかけての数カ月は、米株式市場で取引された銘柄の25%余りが株価5ドル未満だった(ニューヨーク証券取引所調べ)。