地域を「魅力的」と考える世代は
高年齢層から若年層へ

 今回の調査を含め、近年の傾向として見られるのが「市区町村の魅力度」の上昇、つまり地域を「魅力的と考える人」が増加している点だ。全市区町村に対する魅力度の平均点を見ていくと、2016年以降、継続して上昇傾向にある。

 さらに、過去10年の比較が可能な「全市区町村の魅力度」の平均点の推移を20代~60代までの年代別に見ると、ユニークな変化が起きていることがわかる。

 2010年で最も魅力度の点数を高くつけた(地域を魅力的と考える)のは60代で平均点は9.6点に上った一方、20代は5.5点と最も低く、当時は年齢が上がるほど「地域を魅力的」と回答する傾向があった。

 それに対して20年の結果を見ていくと、最も点数が高くなったのは20代で10.9点となり、10年と比較すれば5.4ポイントも上昇している。実は30代でも同様の傾向が見られ、10年では5.6点だった魅力度の平均点が、20年には9.8点へとアップした。一方の60代の20年での結果は8.8点となり、10年よりも0.8ポイント低下した。つまり、「地域を魅力的」と評価する属性が高年齢層から若年層へと移っている。

 こうした変化について、本調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は以下のように語る。

「最近の若年層は、社会貢献や地域貢献などの問題に関心を持つ傾向があり、『都会で働くことが偉い』といったような価値観は失われつつある。こうした中で2015年から本格化している地域創生の取り組みは、若年層の地方への移住促進や子育て支援などを含んでおり、60代以上の高年齢層ではなく、今回評価がアップした20代、30代がターゲットになってきた。それらの取り組みの結果もこうした成果に表れたといえるのではないか」

 また、20代をはじめとする若年層が地域に関心を持つ背景には「教育」も大きく影響しているのではないか、と同研究所の森祐美子さんは指摘する。

「2000年度から小学校・中学校・高校などで始まった『総合的な学習の時間』では、自分たちの住むまちを知る『地域学習』の時間も設けられるなどして、地元の魅力を知る機会になった。それも地域活性化や地域貢献への関心につながったのではないか」(森さん)

 今回のコロナ禍では、リモートワークが広く浸透し、必ずしも都会にいなくても仕事ができることを認識した人も多いはずだ。自分が魅力的だと思う場所に住みながら、かつては都会でなければできなかった仕事をする。これからは、そうした希望を実現できる世の中になっていくかもしれない。

(ダイヤモンド・セレクト編集部 林恭子)