今シーズンのプロ野球は7月まで無観客試合を実施し、その後は観客制限を段階的に緩和している。球団にとってもファンにとっても厳しい状況の中、球場に来られないファンのために「リモート観戦」などの新しいサービスを考案し、積極的に実施してきたのがプロ野球・読売ジャイアンツだ。新サービスはどのような効果を生んだのか。また、客足を完全に戻すことができない状況で、今後どのように収益性を高めていくのか。(清談社 中村未来)
ファン離れを防いだ
リモート応援
今シーズンのプロ野球はコロナ禍によって観客制限などの対策を取りながら開催を続けている。そんな中、巨人は早い段階から動画配信サービスを活用し、球場に足を運ばなくとも、球場で観戦・応援しているかのような体験ができる「リモート応援」を採用してきた。
読売新聞野球事業部の担当者は言う。
「巨人では、緊急事態宣言が発令された直後の4月から『WITH FANS』プロジェクトを発足し、球場に来られないファンのためにさまざまな取り組みを行ってきました。その中の一つが6月19日の無観客での開幕戦から実施した『バーチャルバックネット裏シート』です」
これは、バックネット裏に設置したモニター上にファンの姿を映すという企画だ。他球団でも同様の企画が行われたが、多くが販売という形を取る中、巨人はあえて「抽選」を行った。