プロスポーツ#7
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球界参入後、わずか8年で観客動員数を倍増させて、2016年の黒字化以降も着々と利益を伸ばしてきた横浜DeNAベイスターズ。昨年の座席稼働率は約99%と驚異的な数字を記録している。だが、そんな球界の優等生であっても、今期の赤字転落は免れない。特集『激震! コロナvsプロスポーツ』(全12回)の#7では、コロナ禍でのプロ野球経営について、業績拡大をけん引してきた木村洋太副社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

昨年までは来場を起点とした収益が柱
無観客試合では売上高の7割が消える

――3カ月遅れになりましたが、開幕に向けて具体的にどんな準備をされたのですか。

 行政とコミュニケーションを取りながら、4、5月は世論も含めて、いかに社会的に認めてもらう中で開幕するかに腐心していました。並行して各球団でやったのが、無観客で開幕する場合、自分たちに何ができるのかを考えること。最も不要不急に近い業種で、すぐに止められてしまうからこそ、お客さんあってのプロ野球だということを再認識しました。

――プロ野球で無観客でも可能なサービスとはどういったことでしょうか。

 一番大事なのはファンの声と球場をつなぐこと。われわれの場合、オンラインで観戦したり、客席にお客さんの写真が入ったパネルを用意したりしました。また、お客さんの応援風景を動画や音声で送ってもらい、それをつなぎ合わせて球場で流しもしました。

無観客試合
(上)無観客試合では観覧席に「応援パネル」を設置。(下)観戦中のファンの様子をスコアボードに映して試合を盛り上げる Photo:©YDB

――今期から観客席を増加させたばかりでした。

 われわれのビジネスのコアは球場で興行することで、去年までは来場を起点にした収益が柱でした。ところが、今後は来場者だけに頼ると、経営的に安定しないことが見えてきました。バーチャルの世界にもっと取り組んでいくべきだと感じています。

――昨年までは、売上高のうち入場料収入が占める割合はどれぐらいだったのでしょうか。

 入場料収入が4割程度で、グッズや飲食を合わせたら来場者で6~7割ぐらいになります。

――そこが無観客ではゼロになるわけですよね。

 その通りです。