人間らしいアプローチが会社を強くする

 私はザッポスで働いて14年。その間に、自宅の火事、2回の流産、3人の出産、離婚、結婚、そして昨年は母を亡くしました。まるで災難のデパートですね。でも、私の人生で何かが起きるたびに、ザッポスは私に癒しをもたらし、祝福してくれるのです。私たちは仲間です。家族です。

 母が亡くなったのは夜8時ごろで、1時間も経たないうちに3人の同僚が自宅に来てくれました。次の日は10人。でも、それは私だったからです。私は、困ったときはそばにいてほしいから。

 最近、やはり母親を亡くした社員は正反対で、「ありがとう。いつでもメールしてください。でも、弔問は遠慮します」と言いました。私は彼女の思いを尊重します。私たちみんなが尊重します。その人が求めていることと、会社で引いている境界線を、私たちはできる限り尊重するのです。

 それが会社を強くします。弱めるのではなく、あらゆる意味で強くします。

 会社のために家族を犠牲にしていないと思えるから、私は仕事に前向きに取り組めます。ザッポスが私の家族から私の時間を奪っていると、苦々しく思うことはありません。私の家族が私の時間をより多く必要としているとき、ザッポスはしばらくの間、私の時間をあまり奪わないようにしてくれます。そのために陰で大きな迷惑をかけたり、余計なストレスを抱え込んだりすることはありません。

 ザッポスは私たちがやるすべてのことに、人間らしいアプローチをとっているからです。

 そして、私たちの多くの例を見てわかるとおり、その見返りは、長く勤める社員が多いことです。離職率の低さが証明しています。社員が新しい役割へと成長していく姿を見ることができるのは、彼らがここで働くことが大好きだから、自分のために最善を尽くす会社に、自分のすべてを捧げようと思っているからです。